儒教を読むもくじ

儒教と関連本のもくじ

『孔子伝』白川 静

孔子伝』中公文庫

 著者:白川 静 

 発行:中央公論社 / 1991年2月

 

白川静 (1910年4月9日〜2006年10月3日)

福井県福井市生まれ。漢文学者、東洋学者。

1991年菊池寛章、1996年朝日賞、 1999年勲二等瑞宝章、2004年文化勲章受賞。

 

本書は1972年11月に同社より刊行されたものを文庫化。

その後、2003年に「中公文庫BIBLIO」として刊行されている。

著者は1910年生まれの漢文学者、古代漢字研究者。

 

 

 第一章 東西南北の人

 伝記について

 聖人ののち

 陽虎の叛

 出国記

 亡命記

 夢と影と

 第二章 儒の源流

 伝統について

 大儒と小儒

 巫史の学

 天の思想

 古典について

 儒教の成立

 第三章 孔子の立場

 体制について

 群不逞の徒

 奴隷制

 孔子教団

 巻懐の人

 第四章 儒教の批判者

 批判について

 ギルド的集団

 儒墨の弁

 盗跖の論理

 孔子問礼

 稷下の学

 第五章 『論語』について

 文体論

 儒家八流

 弟子群像

 『論語の成立』

 大なるかな孔子

 

 文庫版あとがき 

 解説 加地伸行

  

 

 

孔子伝 (中公文庫BIBLIO)

孔子伝 (中公文庫BIBLIO)

 

 

論語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

論語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

 

 

『徳川思想小史』源 了圓

『徳川思想小史』  

 著者:源 了圓

 発行:中央公論社 / 1973年1月

 

著者は1920年熊本生まれ。

明治思想史の研究から出発した著者が明治を理解するために、徳川時代まで遡り思想史の研究をした成果がとても読みやすいかたちでまとめられている。

 

序 徳川時代の再検討

 1 「延期された近代」

 2 徳川時代潜在的近代性

 3 日本近代化への視点

 第一章 朱子学とその受容

 1 徳川時代の政治と宗教

 2 儒教の受容

 3 朱子学とは何か

 4 朱子学の受容

 5 朱子学派の人々

 第二章 陽明学とその受容

 1 王陽明の人と思想

 2 陽明学の受容

 第三章 古学思想の形成とその展開

 1 古学運動の内的動力

 2 愛の人間学としての仁斎学

 3 徂徠学と政治の発見

 第四章 武士の道徳

 1 武士の性格の変化

 2 山鹿素行と士道の成立

 3 『葉隠』武士道

 4 士道と忠誠心の問題

 5 武士道と日本人のモラル・バックボーン

 6 中期以後の武士のモラル

 7 武士道と近代化

 第五章 町人と商業肯定の思想

 1 徳川時代の町人の性格

 2 江戸の町人と大阪の町人

 3 町人と「家」意識

 4 商業肯定の思想と宗教意識

 5 石田梅岩と心学運動

 第六章 十八世紀の開明思想

 1 第一次啓蒙時代といての十八世紀

 2 三人の開明思想家ー仲基・梅園・蟠桃

  (1) 富永仲基と伝統思想の相対化

  (2) 三浦梅園と条理の哲学

  (3) 山片蟠桃と霊魂不滅の否定

 第七章 経世家の思想と民衆の思想

 1 徂徠以後の経世観

 2 経済合理主義者海保青陵

 3 マーカンティリスト本多利明

 4 安藤昌益とユートピア思想

 5 民衆の思想

  (1) 二宮尊徳における天道と人道

  (2) 民衆運動の思想

 第八章 国学運動の人々

 1 宣長以前の国学運動

 2 国学の大成者本居宣長

 3 神学者平田篤胤とその影響

 第九章 幕末志士の悲願

 1 幕末思想の特質と志士の登場

 2 後期水戸学派の思想

 3 幕末改革思想と清末改革思想の比較

 4 ヘロデ主義者佐久間象山

 5 横井小楠儒教改革

 6 吉田松陰と一君万民の思想

 7 現実主義的志士の登場

 終章 幕末から明治へ

 1 新知識人の形成

 2 幕末から明治への思想的転換

 3 明治の近代化と伝統

 

 注 

 あとがき

  

徳川思想小史 (中公新書 (312))

徳川思想小史 (中公新書 (312))

   
江戸思想史講義 (岩波現代文庫)

江戸思想史講義 (岩波現代文庫)

 

 

 

 

 

 

『ブックガイド 日本の思想 『古事記』から丸山眞男まで』

『ブックガイド 日本の思想 『古事記』から丸山眞男まで』

 発行:青土社 / 2005年6月

 

 「現代思想」2005年6月の臨時増刊号

 

古事記』・・・草である人々の物語 三浦佑之

源氏物語紫式部・・・東アジアの時空から 河添房江

教行信証親鸞・・・阿弥陀仏の絶対知の理路を辿る 佐藤正英

平家物語』・・・書き継がれ語り継がれる物語 櫻井陽子

太平記』・・・作られた室町幕府の物語 長谷川 端

謡曲世阿弥・・・古典からの飛躍:能の創造と完成 竹内晶子

『語孟字義』伊藤仁斎・・・『論語』による儒家概念の再生 子安宣邦

『弁道』荻生徂徠・・・ポレミックな徂徠学に関するマニフェスト 澤井啓一

『出定後語』富永仲基・・・近代仏教学のさきがけ 宮川康子

『統道真伝』安藤昌益・・・「自然世」の思想 見城悌治

『玄語』三浦梅園・・・条理語で描いた天地 小川晴久

古事記伝本居宣長・・・『古事記』の新たな「神典」化 子安宣邦

『夢の代』山片蟠桃・・・懐徳堂の知の集大成 宮川康子

南総里見八犬伝曲亭馬琴・・・聖痕の神話学の系譜 さくらいすすむ

日本外史』頼 山陽・・・名文の歴史教科書 野口武彦

文明論之概略福沢諭吉・・・「脱亜論」の道を用意した文明論 ひろたまさき

『選挙人目さまし』中江兆民・・・代表をめぐる原理的考察 宮村治雄

『二千五百年史』竹越与三郎・・・文明史と天皇 花森重行

『後世への最大遺物』内村鑑三・・・明治日本の公共精神 千葉 眞

帝国主義幸徳秋水・・・グローバル化する社会の新しい倫理をめざして 梅森直之

『三十三年之夢』宮崎滔天・・・「夢」の一人歩き 横地 剛

茶の本岡倉天心・・・美しき生の術 大久保喬樹

『破戒』島崎藤村・・・「国民文学」としての再生 高榮蘭

『文学論』夏目漱石・・・「文」の「学」を論ず 林少陽

『一握の砂』石川啄木・・・同一化への拒絶 小森陽一

『神代史の新しい研究』津田左右吉・・・神話は人生と交わるのか 田中聡

大菩薩峠中里介山・・・時代の節目に多様な読みを誘発する 成田龍一

『女の立場から』山川菊栄・・・まずかく疑うことを習え 鈴木裕子

支那革命外史』北 一輝・・・革命とファシズムの間 丸川哲史

憲法撮要』美濃部達吉・・・「大正デモクラシー」の憲法論 長尾龍一

パスカルにおける人間の研究』三木 清・・・ハイデガーの蔭の下でのパスカルとの対話 岩崎 稔

『恋愛創生』高群逸枝・・・フェミニズムにおける文明批判の罠 水溜真由美

『一九二八年三月十五日』小林多喜二・・・拷問・革命・日常性 ノーマ・フィールド

『日本資本主義発達史』野呂栄太郎・・・天皇制国家の「メタ経済学」 長原 豊

『日本イデオロギー論』戸坂 潤・・・現代日本に於ける日本主義・ファシズム自由主義・思想の批判 林淑美

支那社会研究』橘 樸・・・中国の農村倫理を求めて 緒方 康

倫理学和辻哲郎・・・「信頼」と「空」の倫理学 田中久文

『万葉秀歌』斎藤茂吉・・・遍満する日本精神 品田悦一

国語学原論』時枝誠記・・・主体的言語学のゆくえ 安田敏明

『回教概論』大川周明・・・日本イスラーム研究草創期の一道標 鈴木規夫

『自覚について』西田幾多郎・・・自己の根柢は世界の根柢である 清水太郎

『死霊』埴谷雄高・・・いま蘇る観念の伝奇小説 栗原幸夫

『俘虜記』大岡昇平・・・春本と悪党 ミッシェル・ドボアシウ

『真空地帯』野間 宏・・・五〇年代の「大衆路線」 佐藤 泉

人間の條件五味川純平・・・語り継がれた植民地と戦争の「記憶」 川村 湊

『現代政治の思想と行動』丸山眞男・・・戦後の精神的起点 道場親信

『故郷七十年』柳田国男・・・老人と子供と悠久の日本 村井 紀

『日本とアジア』竹内 好・・・今、どう竹内か 溝口雄三

『意識と本質』井筒俊彦・・・意味の深みへの研究 安藤礼二

 

 

 

 

 

茶の本 The Book of Tea【日英対訳】(対訳ニッポン双書)

茶の本 The Book of Tea【日英対訳】(対訳ニッポン双書)

 
仁斎論語  『論語古義』現代語訳と評釈

仁斎論語 『論語古義』現代語訳と評釈

 
自由学問都市大坂―懐徳堂と日本的理性の誕生 (講談社選書メチエ)

自由学問都市大坂―懐徳堂と日本的理性の誕生 (講談社選書メチエ)

 
現代思想 2014年3月号 特集=いまなぜ儒教か

現代思想 2014年3月号 特集=いまなぜ儒教か

 

 

 

 

 

 

 

『中国が読んだ現代思想 サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで』  王前

『中国が読んだ現代思想 サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで』  

 著者:王前

 発行:講談社 / 2011年6月

 

著者は1967年上海生まれ。

上海外国語大学卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程終了。

 

 

第1章 新しい啓蒙時代の幕開け

 ―『読書』の創刊とヒューマニズム復権

第2章 マックス・ウェーバーの再発見

 ―「出土文物」の運命

第3章 異彩を放つ現代ドイツ哲学

第4章 西のマルキシズム「西馬」

 ―フランクフルト学派を中心に

第5章 日本はいずこ?

 ―一九八〇年代中国における福沢諭吉

第6章 遠のいていく新しい啓蒙時代

 ―一九八〇年代の一つの総括

第7章 人気学問となった現象学

第8章 リクールとレヴィ・ストロース

 ―フランス老大家の本格登場

第9章 フーコー受容の倒錯と可能性

第10章 脱構築と中国

 ―デリダ訪中のインパク

第11章 「西馬」再来

 ―ハーバーマスと中国思想界

第12章 自由と正義への熱い思考

 ―ハイエクバーリンロールズ

第13章 合わせ鏡としての現代日本思想

 ―丸山眞男の受容

第14章 注目される自由主義への批判者

 ―カール・シュミットレオ・シュトラウス

エピローグ―総括と展望

参考文献

あとがき

索引

 

 

 

中国が読んだ現代思想 サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで (講談社選書メチエ)

中国が読んだ現代思想 サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで (講談社選書メチエ)

 

 

『孔子さまへの進言 中国歴史人物月旦』 楊逸

孔子さまへの進言 中国歴史人物月旦』

著者:楊逸

発行:文藝春秋 / 2012年1月

著者は139回芥川賞受賞者。

初出は『文學界』2009年1月号〜2011年9月号の不定期連載。

月旦は評伝という意味。

 

毛沢東 ―太陽の陰で目を擦る

蒋介石 ―見果てぬ大陸への帝王夢

 孔子さま ―人間から離れつづけた二千五百年

始皇帝 ―善も悪も全てがそこから始まった

李煜 ―亡国帝の千古絶唱の人生

武則天 ―性と姓に囚われた女皇

魯迅 ―絶望から絶望へたどった闘士

 あとがき

 

 

孔子さまへの進言―中国歴史人物月旦

孔子さまへの進言―中国歴史人物月旦

 

 

『孔子 【日本人にとって「論語」とは何か】』

孔子 【日本人にとって「論語」とは何か】』

著者:山本七平渡部昇一、谷澤永一、小室直樹

発行:プレジデント社 / 1989年12月

  

第十五章の孔子年表以外は全て、1982年3月号の『プレジデント』に掲載されていたもの。

小室直樹の名前があったので読んでみると、冒頭から日本人が『論語』を国や時代を越えて人間に普遍的な道徳や修養の書、として誤解して読んでいると指摘している。

そして、儒学の専門でもないのに『論語』の解説をしているとして、第一章の山本七平の名前を上げている。

そう言えば、と思い確認すると、この二人は1981年に『日本の社会学』で既に対談をしている。

 

もくじ

第一章 日本人にとって『論語』とは何か・山本七平

 

第二章 人間孔子七十四年の生涯・奥平卓・

 

第三章 孔子が生きた大転換期「春秋」・村松暎・

 

第四章 聖ならざるわが師「孔子」・渡辺昇一・

 

第五章 「師」たるものへの戒め・谷澤永一・

 

第六章 『論語』は「因果法則」である・小室直樹

 

第七章 「『論語』読み」の楽しみ・宮崎市定

 

第八章 男は「欲望」にどう対するか・高畠穣・

 

第九章 逆境にあって泰然たる法・守屋洋

 

第十章 「君子」とは魅力的な男である・稲田孝・

 

第十一章 「視」「観」「察」の人間鑑定法・村山孚

 

第十二章 個性はどうすれば引き出せるか・阿部幸夫・

 

第十三章 仕事は楽しむものである・門田泰明・

 

第十四章 身近に「師」を求めよ・佐藤一郎

 

第十五章 孔子年表・村山孚

 

 

 

孔子―日本人にとって『論語』とは何か (歴史と人間学シリーズ)

孔子―日本人にとって『論語』とは何か (歴史と人間学シリーズ)

 

  

日本教の社会学

日本教の社会学

 

 

 

『論語の読み方 いま活かすべきこの人間知の宝庫』 山本七平

論語の読み方 いま活かすべきこの人間知の宝庫』

著者:山本七平

発行:祥伝社 / 2008年12月

論語の読み方 (NON SELECT)

 

評論家の山本七平(1921~1991)が書いた、論語の入門書。

本書の元は1981年の祥伝社ノン・ブック。

 

ちなみに小室直樹儒学の素人が「論語」を道徳書、修養書として、

解説しているとして、渋沢栄一竹村健一と並べて山本七平の名も挙げている。

 

まえがき

 

1章 いま、なぜ『論語』なのか

 

2章 偉大なるリアリスト―孔子の素顔

 

3章 「有教無類」―生涯学びつづける精神

 

4章 「礼楽」―人間社会繁栄の方法

 

5章 「信」―人間性を見抜く基準

 

6章 「下学」―人間を創りあげた基盤

 

7章 「上達」―人望を得るための条件

 

8章 「仁」―人それぞれの歩む道

 

<おわりに>「論語の読み方」―その歴史と変遷

 

 

 

日本教の社会学

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人間集団における人望の研究―二人以上の部下を持つ人のために (ノン・ポシェット)

人間集団における人望の研究―二人以上の部下を持つ人のために (ノン・ポシェット)