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『江戸時代の先覚者たち 近代の遺産・産業知識人の系譜』  山本七平

『江戸時代の先覚者たち 近代の遺産・産業知識人の系譜』 

 著者:山本七平

 発行:PHP / 1990年10月

 

著者はイザヤ・ベンダサンで有名な評論家の山本七平(1921~1991)。

本書では、海保青陵(1755~1817)、山片蟠桃(1748~1821)、本多利明(1743~1821)、横井小楠(1809~1869)、そして三岡八郎/由利公正(1829~1909)を取り上げている。

 

まえがき

序章 重農主義重商主義

 「すべて自前の二百五十年」の意義

 「旅学者」が活躍する時代とは

 藩主の経営能力が問われるとき

 「人の道具の第一番は米なり」

 江戸時代最大の経済問題

第一章 海保青陵の新しい発想

 豪農・豪商の知恵を「ぢかどらまえ」にする

 孔子孟子の言は物の役に立たぬ

 儒教圏の異端的発想

 天皇、将軍、諸侯もみな商売人

 合理主義者・青陵の藩政改革論

第二章 青陵の「米テク」藩政改革論

 経済の基本は「目のこ算用」

 「親方百万石」意識が生む貧困

 御先祖様からの「煩法」はさっぱりと御流れに

 藩営「米テク」のすすめ

第三章 青陵のGNP成長論

 皇帝と既得権を天秤にかければ

 貧農救済か、犯罪の誘発か

 「土地より沢山に物の出るをよしとす」

 「棄利愛民」と「産業政策」との落差

 儒者は死物を信ずる流儀なり

第四章 幕藩体制の富国論

 明治にできて、毛沢東にできなかったこと

 「ホーケン的」と「徳川封建制」の落差

 青陵の思想を検討しなおすとき

 「礼楽刑政言て見れば暇つぶしなり」

 「死物」を活かして使うために

第五章 山片蟠桃の町人朱子学

 米屋の番頭が宇宙論を語るとき

 蘭学を受容した町人朱子学

 『夢の代』の地動説と無神論

 「神道ヲ学ブモノ、何ユへ愚トナルヤ」

 「いますが如く」に鬼神を祭る伝統

第六章 文化文政の自由経済

 たとえ神君の「株」でも守るべからず

 「売買をなすこと自然に任さるべし」

 無用の統制は「天下ノ難」となる

 犯罪の摘発を手放しで喜ぶ愚かさ

 為政者は「民を見ること傷むがごとく」に

第七章 山片蟠桃と「米の自由化」

 地価高騰は「精神衛生上の問題」か

 仙台藩と升屋を救った妙計

 ”茶の間の正義”に迎合しない道

 「買占め商人には褒美を与えよ」

 「政治の無策こそ餓死の元凶」

第八章 藩際経済の「国富論

 餓死を現実に解決する法

 市場原理は「天命」、日本のアダム・スミス

 市場、信用取引、そして孟子

 市場原理が飢餓を駆逐する

 経済の私利と政治の私利

第九章 封建制と郡県制

 「常識」についての日本人の伝統

 神秘主義は「憐れむべし」「笑うべし」

 先進国と競わず、絶対化もせず

 「封建は天下を治むるの道なり」

 黙殺されつづけたがゆえの偉大さ

第十章 和算家の列島改造論

 江戸数学者の社会的発言

 ”超先進国”中国の不思議

 和算が世界のトップに立った瞬間

 「算数の道」こそ国政の基本だ

 地球上の「大極楽国」のはずなのに

 火薬の利用で「列島改造」を

 大陸国家を模範とする愚かさ

第十一章 脱亜入欧の先覚者・本田利明

 「人口論」の先駆者として

 飢餓から暴動への危機

 「海運は国君の天職なり」

 江戸を石造都市にせよ

 管理通貨制度の提唱

 「脱亜入欧」と「殖産興業」

 「言論の自由」の必要性

第十二章 「藩営」総合商社論の栄光と悲劇

 急務の第四、蝦夷地の開発

 唐太を開いて日本以上の大国に

 ロシアからの奪還が急務中の急務

 備後「福山藩」の経営コンサルタント

 藩は総合商社たれ、家臣は有能な社員たれ

 だれも評価しなかった一世紀ぶりの黒字

 江戸の「宇宙人」から明治が受け継がなかったもの

終章 幕末維新のケインズたち ―横井小楠由利公正の思想

 「日本最初の大蔵大臣」三岡八郎

 「緊縮財政は誤りである」

 維新の志士と革命家との違い

 殖産興業と雇用増大

 金銀の重みで倉の床が抜けた

 一藩重商主義から一国重商主義

  

 

 

  

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